蔵についてPROFILE

社名
養老酒造株式会社
所在地
愛媛県大洲市肱川町山鳥坂49番地
電話番号
0893-34-2352
FAX
0893-34-2390
代表者
代表取締役 山内 光郎
創業
大正10年(1921年)
銘柄
風の里、鵜洲

蔵開き

できたばかりの新酒や出荷直前の日本酒をお披露目するイベント。弊社では毎年5月(新酒)と9月(ひやおろし)に実施予定。

※ひやおろし
新酒を約半年間寝かし、熟成させてから出荷する日本酒。

「蔵の見学」

仕込み期間外でしたら蔵内の見学も可能です。事前にご予約いただければ、ご案内いたします。

蔵人
「風の里」の蔵人が
受け継ぎ、伝えていくのは
先人が百年間守り続けてきた
酒造りへの情熱と手造りの技。
それは、人々のやさしさが
思い出させてくれたレガシー。
酒に込めた人々への感謝を
風に乗せて届けていこう。
杜氏:山内 光郎

杜氏山内 光郎1961年3月17日生まれ

養老酒造の3代目当主で代表取締役兼杜氏。創業以来85年続いた「伊方杜氏」による酒造りを踏襲しながら独自の形を創り出し、2006年1月から自身が杜氏となり酒造りを開始。

2018年7月の西日本豪雨で酒蔵が全壊する甚大な被害に見舞われるが、片付けをしながらすぐに酒造りを再開したことで、地域の災害復興の旗印として「風の里」が注目されている。

「杜氏として最初に仕込みをしたときは大変なプレッシャーを感じましたが、今は笑顔で仕事を楽しんでいます。手作業の酒造りは苦労の連続。それでも飲む人の笑顔を想像するとこちらも笑顔になり、仕事が楽しくなります。目標は米の香りがきちんと残る、味わいのある酒を造ること。今の仕事に満足することなく、これからも造り手と飲み手の心が通い合う“和醸良酒”の酒造りにチャレンジしていきます」

※伊方杜氏
愛媛県西部の佐田岬半島に位置する伊方町を拠点としていた杜氏集団で、全国でも有数の歴史を誇る。
蔵人:山内 倫太郎

蔵人山内 倫太郎1992年8月1日生まれ

松山市の飲食会社で勤務していた2018年7月に西日本豪雨が発生。実家である養老酒造の被災をきっかけに会社を辞め、後継者として酒造りを始める。

合わせて酒類総合研究所(東広島市)の「酒類醸造講習清酒コース」に通い、酒造りのいろはを学ぶなど知識と技術の向上に努めながら、SNSなどで若い世代に日本酒の良さをアピールしている。

「実家に戻ったのは両親もいい年だし、被災した酒蔵をこのまま終わらせたくないという思いと、建物が無くなり、人が消えたままの故郷は寂しいと感じたからです。まだまだ修行中ですが、自分が納得できるものを作り続ければやがて日が当たり、地域に貢献できるはず。日本酒をあまり知らない若い世代などの入口になるような“フランクに楽しめる酒”を造り、いい意味で日本酒のイメージを変えていきたいです」

蔵人:山内 正代

蔵人山内 正代1964年10月4日生まれ

大正時代から続く老舗の酒蔵・養老酒造に嫁いできたのは26歳のとき。以来、裏方として蔵人たちの仕事や生活を支える一方、総務・経理担当として会社の経営を切り盛りしてきた。

2006年1月から自身も蔵人として本格的に酒造りに関わるように。西日本豪雨で甚大な被害を受けた際も、酒造りの情熱を一切失うことなく、再開に向けて奔走した。

「蔵人として酒造りに関わり始めたときから、不安よりも楽しみの方が大きかったですね。最初は無我夢中で働いていましたが、やがて“自分も造り手の一人として酒造りに携われていること”が嬉しくなりました。西日本豪雨の際は目も当てられない状況にも関わらず、“どんなことをしてでも酒造りを続けなければ”とすぐに思いました。同時に、自分がこんなにも酒造りが好きだったことに、あらためて気付かされました」

西日本豪雨と復興への歩みHISTORY

「被災」

西日本豪雨で蔵も自宅も約3メートル浸水。惨状を目の当たりに、酒造りを諦めかける。

2018年7月7日に発生した西日本豪雨による浸水で、酒蔵3棟と作業場、隣接した自宅が約3メールの高さまで水に浸かりました。建物の土壁は剥がれ落ち、30基以上あった酒を仕込むタンクはあちこちに転がり、一部は天井を突き破っていました。

床一面をぬかるんだ泥が覆い、その上には長年受け継いできた道具類が散乱。そんな惨状を目の当たりにした瞬間、頭をよぎったのは「廃業」の二文字でした。

「再起」

仲間やボランティアの姿に勇気をもらい、1週間後には、年明けからの酒造りを決意。

とりあえず片付けを始めましたが、気分は落ち込み体は思うように動きません。そんな私たちに勇気をくれたのは、地域の方々や県酒造組合の仲間たち、そしてボランティアの皆さんでした。

玉のような汗をかきながら泥を運び出している姿を見て、「自分が簡単に諦めたらいけんな」と思い、被災の1週間後には翌年1月からの酒造りを決意。目標ができたことで心に張りができ、片付けが楽になりました。

「支援」

クラウドファンディングでの調達資金が、私たちを奮い立たせてくれる原動力に。

結局、被害の激しかった酒蔵2棟と自宅は解体することに。片付けは年を明けても続きましたが、1月からは酒の仕込みを開始。必要な装置や機械類はほとんど新調しましたが、その費用の一部はクラウドファンディングで調達しました。

最終的に約177万円が集まりましたが、感じたのは金額の大きさよりも人の温かさ。クラウドファンディングは再建に向け、私たちを奮い立たせてくれる原動力となりました。

「絆」

仕込みを前に帰郷した長男が後継者に。同業者からの申し出に、胸が熱くなる。

酒の仕込みを始める直前、帰郷した長男から「伝統ある酒蔵を残していくために、家業を継ぎたい」と言われたことも、大きな力になりました。

また同業者の仲間に1月から仕込みを始めることを告げると「こんな状況で!?」と驚かれましたが、すぐに「必要な道具は、うちのを使ってくれ」と言われ、胸が熱くなりました。酒造りを再開できたのは、私たちに関わってくれたすべての人たちのおかげです。

「挑戦」

「風の里」が人々の心に新しい風を起こし、地域復興の旗印になるよう頑張りたい。

こんなことを言うと叱られると思いますが、新酒が完成したときは「できた!」という想いが強すぎて、味は二の次でした(笑)。

これからも私たちが酒を造り、出荷することで、お世話になった方々に「養老酒造は頑張っています!」というメッセージを届け続けていきます。

また被災された方々の心に前向きな新しい風を起こせるよう、「風の里」が地域の復興の旗印になれれば幸いです。